2012年8月16日
夏休み
お盆休みで下関に帰省中です。
姉の初盆の法要とお墓参りをしました。親族一同のお集まりには、甥姪の子供たち(上は大学生)、とくに
女の子たちの変貌ぶりに、おばさんはびっくり仰天。女ってお化粧すると年齢不詳になるものですね。
9月にはまた法事で帰省するので、この度は少し短めのお休みで、明日東京に戻ります。
休み明けの東京では「エロイカ」記念本の最終チェックと、なんとも気の重いことが待っているのです。
青天の霹靂で、GOLDの編集長で私の担当のY山さんが、人事異動で他誌に移ることになりました。
漫画家ときちんとアイデアの応酬ができて、気持ちよく仕事のできる環境を作ってくれた優秀な編集者です。
「エロイカ」が35周年を迎えられたのも、彼の熱心なサポートがあったればこそと、感謝の念に堪えません。
環境の激変で、これから孤軍奮闘して「エロイカ」を創るのは、この年ではとても辛い、と言うか、描けるのかなあ…?
視界不良で立ち往生。大殺界はもう終わったはずなのに…。神社でお祓いしてもらいたい心境です。
先の北海道旅行以来、吉村昭氏の小説にはまっています。
道東旅行で一番印象に残ったのが、網走監獄(現在は博物館)でした。その昔、そこから脱獄した二人の伝説的な囚人が
いたのですが、そのことを書いた吉村昭氏の「破獄」が博物館の売店にあって、とても興味を引かれたのが始まり。
帰京してネット書店で検索して、「羆嵐」「高熱隧道」「星への旅」など手当たり次第に読み耽りました。
抑制された簡潔な文章で淡々と語られる事実の重さ、人間たちが傾ける情熱の凄さ、その果ての苦い徒労感。
もっと早く読むべき作家だったのに、何となくおじさん向きの硬派な小説(その通りですけど)と思っていたんですね。
この夏休みには「戦艦武蔵」を姿勢を正して読みました。次は「戦艦武蔵ノート」を読まねばなりません。
この世代の人たちの、筋を通す誠実な頑固さを尊敬しています。