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日記

2008年6月14日

長い間のご無沙汰でした

ずっと日記を書く余裕もなく「アルカサル」の外伝の80ページに、約二ヵ月半の間掛かりっきりでした。ご無沙汰が続いてどうもすみませんでした。これからはもう少し書くように頑張ります。
さて、ドン・ペドロ王の物語は、昨年完結した「アルカサル」本編と外伝のコンスタンシア編までが、史実を基にした歴史的叙述として私が果たすべき義務でありました。そして歴史から解放された今回の外伝は、めでたくも王様も騎士達も元気いっぱいに活躍する痛快娯楽時代劇。「エロイカ」のような冒険活劇を中世の時代を舞台にしたという趣です。コンスタンシア編は女性だらけの「女祭り」でしたが、今回は女性は通行人か尼さんが数コマ出る程度の、「男騒ぎ」(笑)の全編です。生き生きとした登場人物たちを描くのは、手間が掛かっても嬉しくて楽しかったです。理屈抜きに楽しい作品にしたかったので、固い事は言わずに面白く読んでもらえたら嬉しいです。中身は見てのお楽しみで、今月の16日の発売日をお待ちくださいませね。
史実通りに死んでいただいて、歴史叙述の義務から解放されて、今やっとマイ・ペドロ、マイ・ロペス、マイ…になったんだなという感じです。

2008年5月15日

少佐の誕生日でしたね

沢山の誕生祝いのメッセージをありがとうございます。少佐も喜びましょう。
先月からずうっと「アルカサル」外伝80ページの作成に掛かりっきりで、ずいぶんご無沙汰していますが、一言お礼を言わねばと出て参りました。忘れずに覚えてもらっていて少佐は幸せ者です。今、いくつになっているのか、本当のところ私は知りませんが(笑)。
「アルカサル」外伝の後は「エロイカ」の予定です。
最近の秋田書店の人事異動で、「チャンピオン」からY山君が再び「プリンセス」に戻ってきました。「エロイカ」の新シリーズからまた一緒に仕事ができます。頑張ろうねY山君。

2008年3月30日

駆け込み書き込み(笑)です。

気がつけば、もう3月も終わり。ずいぶん間が空いてしまってすみません。駆け込み書き込みなんて早口言葉のようですが、締め切り間際の漫画家のように(笑)月が変わらないうちに、今月の出来事などをまとめて書いておきますね。

NEWSにも書きましたが、講談社の「猫本」に修道院の話が掲載されます。12ページの短編ながら、描いている内に大作並みの描き込みになってしまいました。半分の大きさに縮小されるのに。この本はペット漫画本ではなくて漫画好きの読者を想定しています。モーニングとアフタヌーンの共同編集ということで、その筋の個性派作家が満載です。楽しみにお待ちくださいね。

理論社ミステリーYA!シリーズという中高生向きの小説単行本で、大原まり子さんの作品の表紙と挿絵を描くことになりました。日本が舞台のユーモアのあるライトなオカルト+怪盗ものです。
打ち合わせで大原さんとマネージメントの深澤真紀さんにお会いしました。お二人とも古くからのファンだそうで、特に深澤さんの○女子ぶりには圧倒されっぱなし。冷や汗かきながらも、とても楽しかったです。大原さんがまだ執筆中なので、発行予定が決まったらお知らせしますね。

季刊雑誌「ROCKS」(4月創刊予定)の企画で、中井美穂さんが担当するページからお呼びがかかったので、漫画の話をあれこれと対談をしました。中井さんも古くからのファンで、ここでも圧倒されまくり(笑)。本質を突いた鋭い発言が気持ちよくて、相当な「漫画読み」だなと感服しました。同行の担当S君は中井さんの美しさに眼福してました(笑)。こちらの方も、発売予定など詳しく分かりましたらお知らせします。

下関市立美術館の展覧会は、夏休みシーズンのの7月〜8月の三週間の予定です。7月20日頃には水野英子先生、文月今日子さんとの3人のトークショーが予定されています。正式の日程が決まりましたらお知らせしますのでお待ちくださいね。

仕事とは全然関係ないですが、携帯電話を4年ぶりに最新機種に替えました。ずっとPだったのを、デザインが気に入らなくてSHにしたら、いろいろ使い勝手が違うので慣れるまで一苦労。少佐とペドロ王の生原稿を写真に撮って待ち受け画面にするなどして(遊んでますね)、やっと愛が芽生えたところです。機能が多すぎて絶対に使いこなせないと思うけど、まだ○くらくホンを使うにはおばさんにも若干の抵抗があるのですよ(笑)。

6月発売のプリンセスGOLD7+8月号に「アルカサル」の外伝の二弾目が80ページあるので、悶々と脳みそをしぼっているところです。コンスタンシアの話では、歴史を忠実に追っていったので(あれでもかなり軟らかくしたつもりでしたが)、今回は史実から離れた冒険活劇風に創作しようかな、などと思いを巡らしています。私の大好きな中世ジャンルを、この外伝という形に引き込むたくらみもあったりするので、なんでもありでいいかなと。第二弾はドン・ペドロが元気な頃の話になります。ページが多いので、覚悟しておかねば…。

2008年2月14日

宴は終わりました

2月11日、宝塚の「エル・アルコン」は無事に終了しました。さすがに千秋楽は、劇場内も熱気と興奮に包まれて、舞台の白熱度もこれまでで最高のように感じられました。30年前の作品を、これほど豪華で濃い舞台に甦らせていただけた事は、漫画家冥利に尽きる大事件でした。おまけに大入り袋までいただき光栄です。ティリアンを心底愛してくださった斉藤先生、本当にありがとうございました。寺嶋先生の素晴らしい音楽は、いつまでも恨めしいほど耳から離れません。そしてティリアンの悪の美学を、力強く美しく優雅にエロく切なく演じきってくださった安蘭けいさんに、心からの賛美と感謝を申し上げます。生きたティリアンに会えた驚きと感動は生涯忘れません。幸せでした。遠野あすかさんの美しい凛々しさと演技力は、私が漫画で女性を描写する上での養分にしたいと思います。伸びやかで華のある柚希礼音さんもレッドにぴったりでした(某御大が気に入ったらしいです)。星組の皆様、熱気溢れるご健闘を本当にありがとうございました。87名全員の生徒さん達からサインしていただいた公演プログラムは、一生の宝物にします。
岡野プロデューサーには大変お世話になりました。これからも星組を応援させてくださいね。

この三ヶ月の間は、まるで不思議の国のアリス(おばさん)な気分を味わいましたが、一流のプロフェッショナルの仕事を垣間見られて楽しかったです。世界は違っても沢山学ぶべきものがあり、興味深い事ばかりでした。スターは天上に輝く星であると、いろんな意味で再認識しました。
今まで一度も宝塚を観た事がなかった私の姉達、甥姪達もこの機会に観劇して、絢爛豪華な舞台にみんな大喜び。親戚孝行できたのが嬉しくもありがたい事でした。青池さんちの素敵な記念になりました。
というわけで宴も終わり、山積みしていた宝塚関連の諸々を整理箱に仕舞いこんで、さあ、通常運転に戻って仕事です。あ、でも、パソコンの壁紙はまだ当分TCAサイトからダウンロードした、赤い衣装の安蘭ティリアンさまです(笑)。

2008年2月9日

三週間ぶりの観劇

仕事が終わったので宝塚観劇をしてきました。久しぶりだったので、とても新鮮で、終盤に入った皆さんの大熱演に感動も新たに陶酔してきました。あとは千秋楽に行くだけなので、こちらはすでに見納めモード。お名残惜しくて少々涙腺がゆるんでしまいました。ティリアンもギルダもレッドも素晴らしいです。とくに安蘭さんの歌唱力、声の艶やかさは超人的です。某男性編集者が観劇した後、原作の単行本を読み返したら、ティリアンの台詞が安蘭さんの声で聞こえてくるんですよ、と言っていましたが(笑)、声と音楽の力は恐るべきものがあります。
私はいつもは無音環境でネームを作るのですが、今回は油断すると「七つの海が〜」が脳内に侵入してあらぬ方向に思考を引っ張られるので、仕事に集中するためにオペラをがんがん流して、ドニゼッティの「マリア・パディリャ」の漬物状態になっていました(笑)。ドン・ペドロにしては老けたバリトン声が渋いランカスター公にぴったりで、若妻コンスタンシアと歌っているという設定に妄想して(イタリア語ですが)、仕事中はアルカサル・外伝の世界に没頭していたのでした。仕事を終えて解禁したら、今は「七つの海が〜」「エ〜ル・アルコ〜ン」「オルキス〜」「ドン・ペ〜ドロ〜」のわやわやな脳内音楽が展開しています(汗)。今月末までの短編は中世の坊さん(アレじゃないよ)なので、どうやって集中しようかと悩んでいます(グレゴリオ聖歌はもっとやばい。寝てしまう)。

今日は久しぶりに友人Hさんと晩御飯。思えば昨年の11月初旬に宝塚大劇場に行った時の「エル・アルコン・クッキー」のおみやげを渡した日以来、三ヶ月ぶり。あれから三ヶ月。長いようで短いような、煌びやかな祝祭期間だったなあ、としみじみ感慨深く思っています。明後日で終わりです。