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日記

2008年2月6日

やっと60頁完成しました

昨年末から続いていた仕事がやっと終わりました。締め切りに向かっての数週間はほとんどお篭り状態で、パソコン部屋のオイル・ヒーターが壊れて冷蔵庫化しても、電気屋を呼ぶ余裕もなくそのまま放置。寒がりながら久しぶりの日記を書いています。どうもご無沙汰いたしました。

「アルカサル」の外伝の初っ端はコンスタンシアの英国生活。なにしろ夫のジョン・オブ・ゴーントの活動量がものすごく、これだけでも普通に描けば10年はかかりそうな濃ゆ〜い人生なので、またしてもぎゅうぎゅう詰めの(ネームだらけの)60頁になってしまいました。
できるだけ平明に描くように努めましたので、頑張って読んでいただけると嬉しいです。スペイン側の資料で描いた前作と、英国側の資料で描いた今回のとで合わせて読むと、当時の歴史がより立体的に楽しめるのではないかと思っています。16日の発売をお楽しみにお待ちくださいね。

完成原稿を取りにきたS担当氏が、宝塚版「エル・アルコン」のDVD見本盤を持ってきたので、アシさんたちと仕事明けの晩御飯の時に見ることができました。いろんな角度から撮っているので、劇場で観るのと違う楽しさがありました。私にはずっと以前から、ティリアンのロン毛がマルティン・ロぺスを黒髪にしたように見えるよと言ったら、アシさん、鼻血ぶー(笑)。ロペスによく似た感じでとっても素敵です。
東京宝塚劇場には、萩尾さんや木原さんも観に行ってくれて、感想のお電話をいただきました。「ジパング」の御大も生まれて初めて宝塚をご覧になって、楽しんでくださったようで、よかったよかった。(レビューの網タイツの太ももの群れは、おじさんには眼福ですよね(笑))私は仕事の追い込みであまり観に行けなくて残念でしたが、来週の千秋楽まで、星組の皆さまどうぞ頑張ってくださいませ。

外伝の大仕事を終えたあと、某談社のT担当氏から面白そうな短編のお誘いがあったので、つい引き受けて今月末までの仕事を増やしてしまった。詳細はまたのちほど。ごく短くて楽しいものになる予定です。

2008年1月4日

地元での展覧会の計画

今日は下関在住の漫画家、文月今日子さんと一緒に市立美術館の方々とお会いして、以前からお話のあった展覧会の予定が決まりました。下関出身の水野英子先生と、私と文月さんとの三人の作品を今年の7月〜8月の3週間、美術館で展示する運びになりました。展示内容はこれから決めることになりますが、立派な美術館での原画展は初めてなので、とても楽しみです。詳細が決まりましたら、追い追いお知らせします。ご近所の皆さんも楽しみに待っていてくださいね。
今日はさすがに疲れが出たらしく、少し眠いです。明後日には、仕事の待つ東京へ戻ります。お正月休みもあと一日。お墓参りと義兄の法事などもあり、有意義に過ごしたいと思います。

帰省中でも日記をこまめに書けるのは、姉たちがパソコンを持つようになったおかげ(笑)。まだXP使いの私はVISTAの画面にはちょっと戸惑っていますけど、更新ができるのはありがたいです。

2008年1月2日

新年おめでとうございます

大晦日に実家に帰り、元旦は例年のように、家族親族と新年のお集まりを楽しみました。
今日2日は、早朝から空港バスに乗って宇部空港から東京へ。東京宝塚劇場の初日に来てくださいとのことで、お務めを果たしに観劇へ。大入り満員の大盛況でした。兵庫の大劇場とは少し規模が小さくなるので、雰囲気がちょっと違いますが、熱気溢れるみなさんの舞台を満喫してきました。終盤のレッドの台詞に一言加わって(原作通りに)、レッド株も上がりそうで嬉しいです。斉藤先生どうもありがとうございます。これから2月11日まで寒い時期ですが、星組のみなさん頑張ってくださいませ。帰りにロビーで作曲家の寺嶋先生ご一家にお会いできました。奥様から「エル・アルコン」も「イブ」もリアルタイムで読んでいたと伺って、感激するやら照れるやら。年がバレても嬉しいです(笑)。私も宝塚版の素晴らしい主題曲のCDが出るのを楽しみに待っています。劇場から外に出ると、向かいの歩道が「出待ち」の人たちで山盛り状態。寒いのに凄いなあと、感心しながら地下鉄の駅へ。時間的に最終便に間に合わないので、残念ながらとんぼ返りができなくて、そのまま自宅へ戻りました。
そしてさっきまで、もう一件のお務めを果たすべく、今月19日から公開が始まる「ヒトラーの贋札」のDVDを観ていたところ。ナチス・ドイツのベルンハルト作戦に従事させられたユダヤ系収容所の、実話を基にしたドイツ映画です。シリアスなのは当然ですが、重苦しすぎることなく観られるのは監督のセンスでしょう。とくに主人公の偽造名人の存在感が圧倒的です。で、この映画に寄せるコメントを考えねばなりません。
煌びやかな宝塚の後に、ドイツ兵からおしっこをかけられる悲惨な収容所の映画とは天と地ですが、見応えは十分でした。(ワタシ的バランスのとり方ともいえる、か?)
明日は朝からまた飛行機に乗って帰省。なにやら忙しいビジネスマンのよう。マイレージは貯まります(笑)。

2007年12月31日

よいお年を!

昨日の夕方に仕事を終えて、アシさん達が帰った後、必死になって年賀状を書くなどして、ともかく今年の仕事はあわただしく終わりました。予定通りには行かず残りは来年というか、来月ね(泣)。これから飛行機に乗って帰省します。下関は大変寒いそうなので、ピーカンの東京から覚悟して帰らねばと思います。みなさまにはよいお年を。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2007年12月25日

メリー・クリスマス

クリスマスとは関係なく、ずうっと仕事をしていますが、とりあえずご挨拶申し上げます。
今年の年末は30日まで仕事をして、大晦日に帰省するという忙しさです。年が明けたらもっと忙しくなりそう。こんな忙しさは滅多にないので、腹をくくって頑張るつもりです。
「アルカサル」の外伝を描いています。まずはコンスタンシアの、いわば女の一生もの。夫のジョン・オブ・ゴーントの資料が日本ではあまりないようなので、英国の学者の書いた全440ページの伝記を、必要な部分だけ翻訳してもらって参考にしています。以前調べたスペイン側の資料での見方と、英国側の見方は違っているのは当然ですが、ランカスター公がイベリア半島に関しては、コンスタンシアの意見を大変尊重していたことは、双方で共通していました。事実関係を細かすぎるほど調べて書かれているので、読むだけで頭の中がぐるぐるになりました(泣)。記述傾向にスペイン人と英国人の気質の違いを感じたりします。ジョン・オブ・ゴーントは、一般的には少年王を牛耳った黒幕的なイメージがありますが、こういう芳しくない人物を取り上げる学者は、メリメ先生もそうでしたが、対象への愛が満ち溢れていて、とても面白かったです、仕事でなければ(笑)。
60ページの漫画の中に、膨大な資料をどうやって入れようかと、欲張り者の私は自業自得の四苦八苦ですが、世界史の授業で必ず習うメジャーな事件も起こりますのでお楽しみに。
舞台が英国なので、今までの資料が使えないのも苦労です。スペインやフランスの中世の城砦は修復か再利用で沢山残っていますが、英国では壊れたまま。あの国にはメリメもヴィオレ・ル・デュクも居なかったのが残念。というわけで、アシさん達と仕事に励むクリスマスです。