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日記

2007年9月22日

秋になっても暑いですね。

お久しぶりです。秋分の日には法事で帰省しますが、皆さんはこの三連休どのようにお過ごしですか?「エロイカぬりえ」で遊んでくださると、とても嬉しいですけど(笑)。あの本は慣れない事をして担当者共々苦労して作ったので、楽しんでもらえたら大成功だと思っています。ぜひ書店で手にとって見てみてくださいね。
書店といえば、三省堂の下北沢店で、今月の15日から「アルカサル完結記念フェア」が行われています。編集部から遅れて連絡がきたので、お知らせが遅くなりましてすみません。一ヶ月間の予定だそうですが、好評なら期間を延ばす可能性もあるとの事です。お近くの方は覗いてみてくださいね。プレゼントもあるそうですが、詳細は書店の方へお尋ねください。よろしくお願いします。

私としては、珍しく流行りの「猫漫画」なる物を描きました。漫画家になって猫は飼っていないので、子供の頃の飼い猫の思い出を8頁で描きました。雑誌の発売予定は「ニュース」にてご覧くださいね。
「エレガンス・イブ」の連載エッセイ・コミックは、今月号で終わりです。一年間、漫画家の地味なこぼれ話を読んでくださってありがとうございました。
これから「エロイカ」番外編の仕事です。久しぶりの少佐と伯爵の楽しいクリスマスのお話を、大いにはめをはずして(?)描きたいと思います。あの人もこの人も出てきますよ(笑)。

2007年7月31日

コミックスの仕事も一段落

ちょうど一週間前に一つ年をとりました。今年も誕生日に綺麗なお花を贈っていただき感激しました。
いつもお心使いありがとうございます。遅ればせながらお礼を申し上げます。
ちょうど「アルカサル」の単行本のまとめの最中で、描き下ろしのカラー表紙を完成させたのが24日でした。最後のドン・ペドロ、ううう。自分で言うのもナンですが、これまでの12巻の表紙絵と明らかに顔が違う。13年ぶりなので絵が変わって当然というか、まあ、勘弁してやってください。時間をかけて心を込めて描きました。
そして、そのちょっと前から珍しく風邪を引いてしまい、アシさん達と原稿のまとめをしている最中は絶不調でした。冬の間は全く風邪を引かずにすんだのに、今頃になって油断したのかも。全部の原稿を入稿した後でやっと治った所です。皆様も夏風邪にはどうぞお気をつけください。
「ぬりえ」も単行本も9月発売で、仕事の進行がほぼ同時だったので、今月は忙しかったですが、両方共あとは校正を待つだけ。やっと一段落というところです。

ブッキングから出たコレクションが、ケータイ・コミックになりました。「NEWS」でお知らせしましたので、興味のある方は読んでみてくださいね。私も初めはどんなものやらと怪しんでいましたが、紙の上で読むのとは全く別物という感じで、結構面白い媒体だと思います。昨日は「オールマン大学」一冊分のチェックをしました。自分の携帯は旧式なので、日販の担当者の携帯でしたけど(笑)、とても丁寧に作られていました。これもプロの技ですね。

今日は生年月日が3日違いの某作家の方とお誕生会(笑)。以前は原潜、現在はイージス艦を描いておられるおじさんなので、硬派なお話を拝聴することになるかも。久しぶりにN村さんに会うのも楽しみですが、「アルカサル」が完結したから、もう酔っ払ってからまないだろうから安心(か?)。 





2007年7月20日

宝塚の制作記者発表

一昨日、宝塚の制作発表会が都内のホテルでありました。恥ずかしながら私も原作者として出席させて頂きました。記者会見なんて生まれて初めての体験で、とても緊張しましたよ。産経新聞のネット版の「産経ENAK」に会見の様子が詳しく出ていますので、どうぞご覧になってくださいね。
宝塚のスターさん達は本当に綺麗でかっこよくて、主題曲もドラマチックで壮大で、ああ、本当に「エル・アルコン」が舞台になるんだなあ、なんて実感してしまいました。演出の斉藤先生も張り切っていらっしゃるので、私はもう観客として、どんな舞台になるのか、楽しみに待つばかりです。それにしても、昔からのファンだという女性記者の方が会場に沢山いらしたのは嬉しかったです。熱い乙女心の期待を一身に受けて大変ですが、斉藤先生頑張ってくださいね。

意外と手間取った「ぬりえ」の仕事がやっと終わりました。目が疲れるトレース作業が多くて苦労しましたが、きれいな輪郭線でぬりえを楽しめると思います。エロイカが主ですが、ドン・ペドロとティリアンも加えました。マガジンハウスから9月20日発売の予定です。どうぞお楽しみに。
今は「アルカサル」13巻のまとめをしています。本編としては最終巻なので表紙は描き下ろしのドン・ペドロです。外伝は今年中に着手する予定ですが、本誌の「エロイカ」との兼ね合いもあるので微妙なところです。予定が決まったらお知らせしますね。外伝については、「エンリケはいりません」と編集長。やっぱりね…(汗)。
幕が下りても、ドン・ペドロ達は私の中で生き続けているし、完結したからこそ余裕を持って描く事ができる、そんな心境の今日この頃です。
そういえば最近、ドニゼッティのオペラ「Maria Padilla」の輸入版CDを入手しました。事実無根のトンデモ・オペラですが、音楽が気に入ってハマっています。今までは歴史書にばかり没頭して、派生物には興味がなかったので、これも余裕の内かなと思っています。



2007年6月30日

インタビュー記事

「アルカサル」完結編のご感想が沢山寄せられて感謝感激です。ご自分の人生と重ね合わせる方々もあり、味わい深く拝読しています。完結させるまでの長い間には紆余曲折があったけれど、作家冥利につきる幸せな作品になったといえましょう。読んで下さって本当にありがとうございます。
なお、作品の完結について、朝日新聞のニュースサイトにインタビュー記事が掲載されましたのでお知らせします。asahi.comの文化芸能から文化一般に入って見てくださいね。
そこでも言っていますが、あんなに泣きながら描いたくせに、王様たちはまだ私の中でしつこく生きているようです。感慨に浸る暇もなく、次から次に仕事をしているせいかなあ?とも思いますが、自分でも不思議な感覚です。というのが現在の心境。前後編にまとめるために泣く泣く削った面白いエピソードが沢山あったので、(コンスタンシアの英国生活、エンリケさんちの家庭内紛争など)機会があれば外伝を描くかも…?なので膨大な資料はまだ片付けられませんです。
単行本の13巻目は9月発売の予定です。12巻以降の未収録分と、今回の前後編と合わせて300数ページの厚さになります。次号のGOLD誌の付録になる番外編の「アンヘラの飛翔」は残念ながら頁数の関係で13巻には入りません。思えば、この作品を最後に掲載誌が休刊になって、13年間の空白が始まったのでした。簡単に言うと王様の浮気の話なんですけど…(笑)。

2007年6月10日

お久しぶりです

やっと日記に書き込む余裕ができました。長い間ご無沙汰しまして申し訳ありません。
先週「アルカサル」後編100頁無事入稿。今週末の土曜日発売号を待つばかりになりました。
25年前に王の存在を知り、「プリンセス」で連載を起こしたのが24年前。思えば長い旅路でしたが、なんとか完結させることが出来ました。今は膨大な借金を完済した気分です(笑)。
世界史好きな私としては、手垢のついた有名人などを取り上げるよりは、まだほとんど知られていない人物を掘り起こす事に作家魂を燃やし、教科書でも全く素通りされる時代を、多少は読者に紹介できたことが何よりも嬉しいです。19世紀に苦労して史伝を書上げたメリメ様もお喜びかなと、おこがましく思ってみたりして…。
後編100頁は王の死後19年にわたる展開で、難解なスペインの歴史書と格闘して、風呂桶いっぱいの水をペットボトル一本に収めるという力技で必死にまとめましたが、押さえる所は押さえたつもりなので、歴史の流れを俯瞰して読んで頂ければありがたいです。600年前の人達はみんな死んでいるとはいえ、私の作品で死亡率100%は後にも先にもこれだけです。ただ、王が死んで悲しや、諸行無常の響きありとはならないところが、西洋史のしぶとさというか、タフな面白さだと思います。後編では女性たちが活躍します。誰がどんな役割を果たすかお楽しみに。編集長と担当者は今回も涙してくださり、アシさん達は悲しい場面なのになぜか萌えまくり(?)でした。

20年前から思い描いていた「完」の頁が、イメージ通りに出来上がった時には、さすがに感無量でした。アシさんたちがこっそりお花を買って隠しておいたのを、最後の原稿を担当者が持って出て行った後に、私にプレゼントしてくれた時には、思わず涙が出てしまいました。完成できたのも長丁場頑張ってくれたアシさんたちのお陰です。この場でお礼を言わせてください。本当にご苦労様でした。

大仕事の余韻に浸る暇もなく、仕事明けに一日倒れていただけで、翌日から今まで止まっていた企画が次々に押し寄せてきて打ち合わせの連続。これらについては、後日改めてご報告しますね。取り合えず、半年の間に少佐のようにぼうぼうに伸びた髪の毛を切りに、近所の美容院に行かねばというところです(笑)。