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2007年11月4日

安蘭ティリアンは絶品です!

一昨日、宝塚星組の「エル・アルコン」の初日に、K島編集長とU木さんと宝塚大劇場へ観劇に行ってきました。自分の作品がどのように舞台化されているのか、幕が上がるまで期待と不安でかなり緊張していましたが…。主役の安蘭けいさんの演技力と歌唱力に完全に脱帽しました。素晴らしいティリアン・パーシモンです!重厚な衣装が大変よくお似合いで、長い黒髪もドレープの綺麗なマント姿も立ち振舞いも美しく、何より目ぢからの強さがティリアンそのもの。ご本人も漫画のイメージを壊さないように努力されたそうですが、情熱的でクールでストイックな彼の複雑な性格が見事に表現されていて、圧倒的な存在感に魅了されっぱなしでした。漫画のファンの方々にもイメージ通りの、生きてそこにいるティリアンを、ぜひ観に行っていただきたいと思います。
ギルダ役の遠野あすかさんは、女海賊の凛々しさと愛憎相半ばする女心を気高く演じて美しいし、レッド役の柚希礼音さんは、ちょっと甘さの残る爽やかさで敵役との対比を際立たせる好男子ぶり。ニコラス君はいじらしくて可愛いし、K島さんとU木さんはキャプテン・ブラック萌えでした(笑)。劇団員の方々全員の熱気がしっかり伝わってくる演技の数々と、スペクタクル感溢れる音楽と印象的な主題曲と、お金がかかったであろう舞台装置で「エル・アルコン」の世界が繰り広げられるうちに、終盤のティリアンの爆死シーンで、私は思わず落涙してしまいました。原作者が泣いてどーするですが、本当に感動しました。これで最終シーンの白い衣装のティリアンとギルダが、一緒にちょっと踊ってくれたら、もう感涙にむせんだだろうと思うほどでした。
初日の舞台を観終わった時、三人とも「もう一度観たい」と言い出すただのミーハーおばさんと化して(笑)、翌朝の帰京の予定を遅らせて二日目を観劇し、初日よりもっとすごい事になっているので、舞台は生き物だなあと感銘し、爆死シーンに、またもや涙を流す私だったのでした(笑)。
正確には三本の物語が1時間30分の中に入っているので、舞台の展開は大変スピーディーでエネルギッシュです。宝塚のお約束事などをふまえつつ、原作のイメージにこだわって劇化をしてくださった斉藤吉正先生、本当にご苦労様でした。漫画ファンには、観たいシーン満載の嬉しい舞台になったと思います。舞台を支えているスタッフの方々にも感謝感激です。立派な舞台にしてくださってありがとうございます。これから12月15日までの長丁場、皆様どうぞ頑張ってくださいませ。そして、来年1月2日から東京公演。漫画・出版関係者たちもとても観たがっていますので、今から楽しみに待っています。読者の方々もぜひ、魅力的な安蘭ティリアンを観に行ってくださいね。

2007年11月3日

エロイカより愛をこめて 番外編

2007年11月6日(火)発売 秋田書店プリンセス12月号
「聖夜の善き訪問者たち」カラー付き45ページ掲載
久しぶりの「エロイカ」番外編です。お楽しみに。

2007年10月2日

スペインの二人の尼僧たち

「アルカサル」の取材で訪れた、アストゥディージョのサンタクララ尼僧院との交流は、「修道士ファルコ」の巻末に描いたので、読者の方もご存知かと思います。
先日、完結編の単行本をお二人の尼僧にお送りしたところ、長い間病気療養中だったセリーナ尼僧は、残念ながら、今年の5月に亡くなられていました。19年前に、初めて尼僧院に行った時に、言葉も通じないのに、六百年前の創設者のマリアとペドロ王の話題で盛り上がったことが、今でも懐かしく思い出されます。今は、神の御許で永遠の平安と共にあることと思います。
カナリア諸島のテネリフェのルス尼僧からは、今日、誠意溢れる暖かいお手紙をいただきました。この本を、私達の友情の歴史の証として、尼僧院の図書館に納めてくださるそうです。
ちょうど、漫画以外のことで精神的に滅入っていたので、ルス尼僧の誠実な言葉の数々に、心が洗い清められて、すがすがしい気持ちになりました。やっと完結したペドロ一世の本を、尼僧院の方も共に喜んでくれたのが、とても嬉しいです。セリーナ尼僧は残念で寂しいことですが、いつの日か、サンタクララ尼僧院にお礼参りに行かなければと思っています。

アストゥディージョからはEメール、テネリフェからはワードでした。スペインの尼僧院でも、今やすっかりIT化が進んでいるんですね。
下関の姉たちも、先月の末からパソコン教室に通い始めました。72歳から64歳の4人姉妹で仲良くお勉強中と思っていたら、早くもつい昨日、72歳の長姉からEメールが届いてびっくり。新しい事を勉強するのが面白くてたまらないそうです。さすが我が姉たち、前向きすぎて負けそう。一番若い私としては、自分の本分を全うすべく、雑事に捉われず、漫画の仕事に打ち込むばかりです。

2007年9月22日

秋になっても暑いですね。

お久しぶりです。秋分の日には法事で帰省しますが、皆さんはこの三連休どのようにお過ごしですか?「エロイカぬりえ」で遊んでくださると、とても嬉しいですけど(笑)。あの本は慣れない事をして担当者共々苦労して作ったので、楽しんでもらえたら大成功だと思っています。ぜひ書店で手にとって見てみてくださいね。
書店といえば、三省堂の下北沢店で、今月の15日から「アルカサル完結記念フェア」が行われています。編集部から遅れて連絡がきたので、お知らせが遅くなりましてすみません。一ヶ月間の予定だそうですが、好評なら期間を延ばす可能性もあるとの事です。お近くの方は覗いてみてくださいね。プレゼントもあるそうですが、詳細は書店の方へお尋ねください。よろしくお願いします。

私としては、珍しく流行りの「猫漫画」なる物を描きました。漫画家になって猫は飼っていないので、子供の頃の飼い猫の思い出を8頁で描きました。雑誌の発売予定は「ニュース」にてご覧くださいね。
「エレガンス・イブ」の連載エッセイ・コミックは、今月号で終わりです。一年間、漫画家の地味なこぼれ話を読んでくださってありがとうございました。
これから「エロイカ」番外編の仕事です。久しぶりの少佐と伯爵の楽しいクリスマスのお話を、大いにはめをはずして(?)描きたいと思います。あの人もこの人も出てきますよ(笑)。

2007年9月16日

新作掲載誌のお知らせ

幻冬舎コミックス発行「猫メロ」(猫漫画雑誌)
07年10月15日発売予定 B5判中綴じ 360円
昔の飼い猫の思い出を描いた、8頁のコミックエッセイが載ります。